ジャングルの民に期待してはいけないこと

東南アジアの森林地帯にある少数民族の集落を巡り
彼らと親しくなって、彼らの様子を記録し、彼らの利用する植物に
ついての情報を集める。1994年頃からトシが取り組んできた仕事だ。
ベトナム北部の山岳少数民族などは、その装束を見るだけで
彼らが何族か判別出来る。また装束自体も奇抜で、色彩豊か、
それでいて何やら威厳の備わった素敵なものであることが多い。
写真を撮る側としては実にフォトジェニックな民族である。

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アリの事ともう1つ

熱帯ジャングルに生息するアリの大群というのを
テレビや映画などでご覧になった方も多いと思う。
さっさと逃げなければ牛でさえ骨だけにしてしまう恐ろしいアリだ。
トシが主戦場とする東南アジアのジャングルは
有名なアマゾン産のアリほど、強力なものはいないようだが、
大小さまざまなアリがいることでは遜色ない。

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沈香はトラの敵

以前、マレーシア南部のジャングルに入った時、
ガイドとして雇った先住民族の男性が川の浅瀬で何かを拾い上げた。
ちらりと覗くと、大きめの焼き芋程度の木切れのようだったが、
後生大事にバッグにしまっていた。
『gharu』という名の香木樹脂であるということであった。
翌日の早朝、突然、真面目な仕事ぶりで頼りにしていた彼が
仕事を放棄して村へ帰りたいと主張し出した。
どうやら昨日の木切れが原因らしい。
これが沈香との出会いだ。

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『NY1997』 in Myanmar

ミャンマービクトリア山登頂の顛末について
盟友ショウタが自身のブログで書き始めた。
ここに書かれるあるいは書かれているトシのことは、
ほとんどは極端に誇張された話なので
あまりまともに取らないでもらいたい、とお願いする次第である。
それはさておき、この旅行は、
自分の経験でもベスト3に入るぐらいトラブルが次から次へと発生し、
笑ってしまうくらいだったのだが、おそらくショウタが決して書かない
ビクトリア山登山裏面史(そんな大げさなものではないが)をご紹介する。
繰り返して聞かされている人、すいません。

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最も美しい獣

先日、マレーシアのトラを研究する日本人と話をする機会があった。
フロリダ大学で学位を取ったばりばりの研究者で現在は
マレーシアの野生動物国立公園局(Perhilitan)
トラの保護・研究コンサルタントとして活躍中である。
アメリカの大学で博士号を取得し、マレーシアのタマンネガラで3年にわたり
調査活動を行った、自信に満ちたあふれた、
静かな存在感のある女性である。
ちなみに、タマンネガラとは『国立公園』を意味するマレー語だが、
一般にタマンネガラといえば
マレー半島中央部にある公園のことだけを指す。
『the river』がテムズ川のことをさすようなものだろう。
この研究者から、自然保護に関する現状など非常に興味深い話を
聞くことができた。それについてはいずれ改めてご紹介する。
さて今回の話はトラである。

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蝶のように舞い、蜂のように刺す(2)

川の砂州が黄色い蝶に埋め尽くされ、川の上空は群舞する蝶で黄色い帯になっている。陶然としてこの光景に見入るパーティの面々を現実に引き戻したのは、ミツバチであった。このときは精密機械を持ち込んでいたので、雨などを避ける為にいつもは使わないテントを設営した。この設営中、ミツバチが蚊のように纏わりついてくる。
これが鬱陶しい。

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蝶のように舞い、蜂のように刺す(1)

マレーシアのキャメロンハイランドは標高1500mから2000mにある避暑地である。英国植民地時代に英国紳士、淑女が涼を求めて訪れた場所だそうだ。現在はマレーシア、シンガポールにキャベツなどの高原野菜を供給する重要な農業地帯になっている。その先駆けとなったのが、一部の好事家にはBOH teaブランドで有名なお茶のプランテーションである。また松本清張の小説『熱い絹』でも有名なタイのシルク王ジムトンプソンが謎の失踪を遂げた場所でもある。そしてかつては蝶の収集家の聖地の一つとして名を馳せていたそうである

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