海辺のジャングル

世界中どこでも、大きな都市には外の世界と繋がる
なんらかの玄関口があり、そこを中心に開けていくものだ。
近代での玄関口は間違いなく港だろう。
海あるいは大河で複数の外世界と繋がっている。
内陸部では、大きな街道ということになるのだろうが、
やはり、世界に繋がるラインの豊富さは港にはかなわない。
そんなこともあって、世界の主要都市のかなりの数は港湾都市だ。
これまでマレーシアあるいは周辺国の熱帯低地林や、高山のジャングルを
紹介してきたが、実は都市部からもっとも近いジャングルは、海岸線の
マングローブ林ではないかと気がついた。


ジャングルの定義を辞書で調べてみると

樹木、つる植物、下草などが密生している熱帯地方の森林。

とある。
そうなると、下草などはほとんど生えないマングローブ林は
ジャングルとは言えないのかもしれない。
さらに英英辞典で調べてみると

Land densely overgrown with tropical vegetation.

ということで、特に植物の構成については触れていないようなので、
熱帯の植物がわんさか密生しているところと解釈して、
マングローブ林もジャングルの一つであるとしよう。
で、その植物が密生している度合いだが、
 

 
こちらの写真で少しはその雰囲気が伝わるだろうか?
マングローブ林はご存知のように、樹高5mから15m程度の
低木が主体である。
しかし、その独特な形状の根が張り巡らされていることで
歩きにくさで言えば、ジャングル界屈指である。
そもそも、マングローブ林は海や川辺の泥地にあるので、
この根がなくても歩きにくいことこの上ないのだが。
実は、一般的なジャングルでは動物や昆虫を目撃することは非常に少ない。
このブログの人気者『ヒル』は別として、『ゾウ』『トラ』などは
まず見られない。
一方マングローブ林は、蟹や魚、それを狙っている鳥、トカゲ、かわうそなど、
生き物をもっともたくさん目撃できるジャングルでもある。
都市周辺にあり、手ごろに訪問できる、
意外と手付かずのジャングルであるマングローブ林。
日本の西南諸島のように観光地として、もう少し注目されてもよいはずだ。
ちなみにこの写真は、マレーシアの首都クアラルンプール近郊を流れる
セランゴール川流域のマングローブ林である。

“海辺のジャングル” への66件の返信

  1. AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322)
    親子で「80へ〜!」と、嫁さんも「へ〜」といってました。手ごろってとこが、ちょっと僕にはピンとこないんですが、魅惑的ですね!夏休みなんで親子で楽しみにしてます。今度はゆっくり飲みながら「生密林ジャーナル」を聞かせてください!

  2. AGENT: DoCoMo/1.0/N503iS/c10
    ナベタさん いつもありがとうございます。週末から一月ぶりにマレーシアです。今回山に入るチャンスあるかなー?

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