温室効果ガスと気候変動

前回のつづき
こんにち、温室効果ガスによる地球温暖化と
それにともなう気象変動の相関は疑う余地のない事実と
されているが、これに対して疑問を呈するグループは
実はまだたくさんある。
あるグループは『現在の気温上昇は人間の活動による
ものではあるだろうが、地球の長い歴史上、低温期と高温期を
繰り返してきたというマクロな視点でみれば
ほんの誤差程度のものである。』と主張し、
別のグループは『温暖化が起こるとして行われる
被害のシミュレーションが非常に偏ったものであるので、
実際にはそれほどひどくはならない。』とクールである。
それらを科学的に検証することは、私の任ではないし、
寒いのが嫌いな人間としては温暖化何が悪いの?
なんて不謹慎なことを考えてしまうこともある。<嘘です。
温暖化が進むと冬季の暖房による二酸化炭素排出量が減少し、
気温が下がるというデータはないのだろうか?
地球上の温帯がすべて亜熱帯化すれば空き地などの
植物の成長が著しく進み、これも二酸化炭素固定に役立つ、とか。
何より世界中がジャングルになれば、
これは私の時代がやってきた!ということではないか!!
といささか興奮もする。<馬鹿ですな
現実には平均気温の上昇が必ずしも気候帯の穏やかな移動には
繋がらず、時には記録的な豪雪や、異常な低気温なども
生じさせている事実はご存知のとおり。
もっともこれだって因果関係がしっかり証明されて
いるわけではないが。
温室効果ガスの排出と気候変動や水害などの相関は、
反論しようと思えば結構反論出来てしまう、
部分的には証明しきれていないロジックなのかもしれない。
反論自体がロジカルでない可能性も高いが。
もちろん私は
『温室効果ガスの排出と気候変動などは相関関係あり』
と考えているが、某超大国が屁理屈言って排出規制の
具体的数値目標に賛成しない理由となっているのは、
このロジックの弱さにもあるのではないだろうか?
もちろん一番は某超大国を支える一大産業への
気遣いなんだろうが。
と、わかりきったことを書いたところで、また次回へ。

COP13

隣国インドネシア・バリ島で
「気候変動枠組み条約第13回締約国会議(温暖化防止バリ会議)」
が開催されているのは、みなさんご存知の通り。
今日の時点で、CO2削減の数値目標を、
ロードマップに入れるか否かで紛糾しているようだ。
日本は米国とともに具体的数値目標に反対している。
まあ、日本と米国ではCO2排出の現状がまったく異なるだろうから
いっしょくたにして批判するのはまずいのかもしれないが、
日本人としてはあまり嬉しいことではない。
何か、自国の利益だけを考え、地球全体の問題を無視しているような
印象を世界中に与えてしまう。実際そういう部分はあるだろうが、
日本では省エネという考え方が公的機関や施設ではかなり普及している。
もちろん努力して改善すべき点は多々あるだろうが、ほぼ野放しのような国と
削減目標達成負荷はまったく異なるはずだ。
日本の省エネは、もうすでにかなり絞ってしまった雑巾なのだ。
という反『温暖化防止』的な流れで、今回は終了。
このあとへ続く。

また間があいてしまった…

ここのところ、日本との往復が続いている。
もちろんネタのストックはそれなりに持っているのだが
古いネタをひっぱり出す時は、きちっとした形で出したいと
どうしても思ってしまう。<それでもこの程度なのだが。
フレッシュなネタなら写真さえあればそれなりにかっこがつくと
思っているのだが、フレッシュなネタを得るような
森林アクティビティが最近ないのだ。
今週末はどうにか山に入れるだろうか?

ミャンマー在住の友人について

ミャンマー情勢が世界的な話題になっている。
そして私はとても心配している。
私はミャンマーに精通しているわけではないが
仕事、プライベートで何度も出かけている。
村人が川イルカと共同で行う漁を撮影したり、
外国人として戦後初めてビクトリア山を登頂する
なんて思い出もある。
そんなことよりなにより、わが盟友ショウタ
がヤンゴン在住なのである。これがすべてだ。
辺境作家高野秀行氏のブログムベンベにこんな記述がある。

まず、ヤンゴン在住の友人Kさんから連絡が途絶えた。彼は昨日まで、「今、軍が銃を発砲してます。うちのスタッフが確認したし、銃声は今も聞こえています」と電話してきたのだが、それもない。

さすがに少し心配になり、彼のヤンゴン事務所に電話をしてみることにした。
 *ショウタプロフィールはこちら

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もう一冊

以前こちらで紹介した登山家でもあるアロマテラピー研究者の方が
新しい写真集をお出しになったので紹介したい。
カラコルム水物語-カラコルム・ヒマラヤの高山と氷河と生き物をめぐる水の連鎖-
がそれだ。
もともと山屋ではないトシなどはヒマラヤ周辺の山と聞いただけで
尊敬してしまうのだが、峻嶮な山の表情はモノクロのシャープな画像により
いっそう美しいと感じる。
高価な本ではあるが、もし書店などでみかけたら手に取ってみていただきたい。
先日のエントリーでは70歳近いと書いたが
略歴によると現在76歳である!うひょー。

昆虫の本

本ブログでもリンクさせていただいている
サステナラボで紹介されていた
『集めて楽しむ昆虫コレクション(森の休日5)』を入手した。
白地のバックに鮮明な写真が非常によく映える
すっきりしたデザインも素敵だが、やはり虫をある特殊な観点から
集めるアイデアに感心した。
さまざまな昆虫の抜けがら。
葉の虫食い跡の多様性などなど
ちょっと変わった視点が面白い。
最近の図鑑は結構凝っていて注目していたが、
この本はさらにひとひねりしている感じがする。
書店でなかなかみつからず苦労したが、おすすめの本だ。
出版社がヤマケイってのも驚きですな(笑)。

生命力の問題なのか

生き物の生命力は、ジャングル以外の場所でも驚かされる。
むしろ都会の厳しい環境でけなげに生きる植物などの方が
より、生命のたくましさを印象付けることになるケースが多いかもしれない。
生気の横溢するジャングルだと、不思議も当たり前に見えてしまうこともあるだろう。

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いよいよヒル時代到来か?

ちょっと古いが8月18日の毎日新聞に
このような記事が掲載された。

従来は山奥にしかいなかったヤマビルが、ふもとまで生息域を拡大し、住民やハイカーが吸血される被害が全国各地に広がっている。被害情報は29府県に及び、日常生活や観光にも影響が出始めており、神奈川県では自治体などが駆除対策に乗り出す事態になった。過疎化や林業の衰退による森林や里山の荒廃が原因で、専門家は「ヒルの問題は日本の森林荒廃の象徴で、早急な対策が必要だ」と訴えている

 <全文>
ヒルの問題が、里山荒廃を顕在化させる指標になる、
という観点が面白いと思ったが、やはり密林ジャーナルとしては
日本にもヒル問題が拡大してきているという点を喜びとともに
評価したいところである。
いいじゃないですか、多少のヒル被害ごとき。
伝染病もないようだし、共存してください。