俺は一体何を食べたのだ!?

昨年ジャングルへ入って一番衝撃的だったことは
もちろん森林伐採の残酷な現状である。
これについては本ブログでも書いた。
大好きな森の行方
しかし実は同じジャングルで
ある意味では更に衝撃的な出来事があったのである。


 
地元のガイドに連れられてラフレシアの花を見に行った時の事だ。
残念ながら花は開花後大分時間がたっており、
ロウ細工のような鮮やかな色彩はすでに失われていたが
それでも原型は留めており初めて目の当たりにするゲストは
満足してくれたようだった。
なにせ、ゴルフボールよりさらに小さい大きさで寄生主(ホスト)植物の
つるの表面に出現してから8ヶ月をかけて成長し、咲いている期間は
わずか1週間足らずという植物だ。
巡り合うには相当な運も必要である。
さて、ラフレシアというのは植物の属名であり、同属にかなりの数の
異なる種がある。世界一大きい花といわれる種類もあれば
それほど大きくない花もある。
この場所でみられる花は直径60センチほどの種類、まず中ぐらいのサイズだ。
ゲストからの「『肉の腐ったような悪臭』があると聞いてきたんですが?」
という質問には「この種類は悪臭がないんですよ」と答える。
慣れたものである。
「受粉したらどんな果物が出来るのですか?」という質問に
現物をお見せして答えようとガイドに「果実はどこかに見当たらない?」と聞くと
ガイドの答えは「果実は出来ません」
え?以前この近辺のジャングルでこれが実だと言われて…食べたぞ!?
しかし、誰もが「ラフレシアに実は出来ない、胞子のような小さな種が
出来てそれが飛んでいく」と言うではないか!!
そりゃ種がどんなに小さくたっていい。あの花の大きさだ。
それなりの果実ができてしかるべきだろう。
と食い下がるが「出来ない」の一点張りである。
では私が食べたあれは一体なんだったのだろう?
その『なぞの植物体』の写真が以下である。

もしかしてラフレシアの蕾?

こちらはアップ。差し渡しで10センチほどあるので、
少なくとも蕾の初期の段階ではないことは間違いない。
僕の知る植物の蕾はある程度の時間が立てば花びらの
形状が確認できるはずなんだが…
花びららしき物は肉眼では確認出来ない。
それにしても腹が立つ。
こっちはラフレシアの果実と言われて食べたんだから。
あー誰か教えてくれー!!
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後日談、人任せにするよりも自分で調べてみようとグーグルで
『ラフレシア』+『果実』で検索してみた結果、
少なくとも果実をつけることがわかった。
こちらなど
そしてさらに具体的な記述もみつかった。
こちら
やっぱりあれは果実だったのだ!
とトシの中ではほぼ決着がついた。
今回のガイドは先住民族の先生方じゃなかったし、
情報が間違っていたことについても許そうじゃないか。
「ん?あー君たち、ラフレシアの実まだ食べたことないの?
まだまだ修行が足りんねー」ってなもんである。
ちなみにこの果物らしきもの、無味無臭であったが、食感は硬めのイチジク。
もう少し時間が立てばおいしくなるのかもしれない。
食べごろなんて誰も知らないだろうが、貴重な種子を食べてしまって
今では申し訳ない気がしている。

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