ペトロバグ−禁断の石油生成菌』 高嶋哲夫(文春文庫)を読む。
アマゾンの解説は以下。
天才科学者山之内明が発明した奇跡の石油生成菌ペトロバグ。世界の石油市場を根本から覆す大発明に脅威を感じた国際石油資本とOPECは双方とも山之内拉致、殺害とペトロバグ略奪の指令を発した。だが、ペトロバグは恐怖の殺人生物兵器であることが判明、山之内は暗殺者に追われながら重大な決意を固める。
感想は…
ダメな冒険小説にありがちなことだが、人間があまりにも類型的。
テーマも知識も相当面白いのに、のめりこむことが出来ないのは
やはり人間が描けていないからだと思う。
この作家はこの程度の人ではないので、チャンスがあったら書き直すだろうね。
少なくとも倍のページ数がないと書ききれないでしょう。
科学的知識は豊富だし、P4設備についてなど、情報量はすごい。
ただ個人的にはリチャードプレストンの『ホットゾーン』の前に読みたかった。
それとはまったく別の観点で、トシの業界が何やってるのか気になる方は読んで損はない。
当たり前だが、本作の主人公のような最先端の科学者が
ばりばり仕事をしているというわけではないが、そういう人たちと
一緒に仕事をしている、ということはあるかもしれない。