読者の方はよくご存じのように、
当社は現在マレーシアとブータンにおける生物資源探索の許可を受けている。
「ほかの国への進出は?」と聞かれることが多いのだが、答えは「YES」だ。
もちろんどこの国にも無差別で進出するわけではない。
進出国の選択基準の一つに「人権問題を抱えている政府を選ばない」がある。
我々の仕事の結果得られた利益を資源国に配分する際に
非人道的であると批判されているグループを潤すことは
そのグループと同じように批判されることになるからである。
ちょっとわかりにくいか。
我々はともかく、一緒に仕事をしてくれたお客さんが非人道グループを
間接的にサポートしたということで、ネガティブキャンペーンや
不買運動などの攻撃にあっては困るということだ。
ミャンマーという国は生物資源的には非常に魅力がある。
南北に長く海岸線も長い。低地もあれば6000m近い高山もある。
乾燥地帯もあれば熱帯林もある、そして開発が進んでいない地域がまだたくさん残っている。
しかし軍事独裁政権が民主化運動のヒロインでノーベル賞受賞者アウン・サン・スーチー女史を
自宅軟禁している。民主化運動の闘士である政治犯が多数投獄されている etc.…
やはり手を出せない国である。
私の相棒ショウタ(太郎)氏はもともとミャンマー在住(現在は日本)で
私も彼の案内でかれこれ5回以上訪問している。
ブログにも書いているが、1999年にはチン州のビクトリア山(3052m)を
外国人としては戦後初めて登頂し、その時書いたお礼の手紙が
地元の英字新聞に掲載されたなんてこともあったし、
エーヤワディ川を遡上して川イルカと漁師が共同で漁をする珍しい習慣を見学にも行っている。
その位かかわりが深いミャンマーと提携しないのは、やはり上記の国情によるところが
大きいのである。
しかし、ここ最近ミャンマー情勢が動き始めているようだ。
アメリカの対話路線。スーチー女史の軍事政権への歩み寄り。
そして来年実施が予定されている総選挙。
もしかしてわが社がミャンマーへ進出するための機運が高まっているのかもしれない。
今ミャンマー情勢には目が離せない。
アメリカの経済制裁解除が一つの目安になるか。
注目したいところである。