煙害は人災だ

この2,3日クアラルンプールの空はきれいに晴れている。
過去2週間ほどマレーシア西海岸を悩ませていた
スマトラ島の野火による煙害が一応落ち着いたということだ。
2月に起きた煙害は、主に国内の野火であったが
今回は隣国であるインドネシアの問題であり、自らの手で
鎮火や対策がとれないまだるっこしさがある。
マラッカ海峡を越えてやってくる煙は焼き畑や自然の山火事ではなく
油ヤシのプランテーションを作るために、森林伐採するのがめんどうなので
焼き払うという、信じられない暴挙が原因である。
そして、それを行っているのが油ヤシ大国マレーシアの企業(あるいはその命を受けた
インドネシア企業)だ、というのが一般の論調である。
その為、マレーシア政府のインドネシア批判の舌鋒が鈍っている、と。


  
次の写真は上記の暴挙による野火ではなく、おそらく自然発火の野火だろう。
野火の煙
撮影は今年の前半、ボルネオ島のブルネイ近くのリゾートタウン、ミリ郊外だ。
泥炭湿地(ピート)での火災で、火は泥炭土壌自体に入り込み、地下で広がる。
雨が降ったくらいでは鎮火せず、地下でおきのように静かに燃えている。
これが一度、地表に顔を出すと周囲の植物を燃え上がらせ、野火となる。
まったくやっかいなものだ。
鎮火後の泥炭湿地(まだ地下でくすぶっている可能性あり
泥炭湿地林というのがあり、こちらは高さ30mほどの森林となるのだが
この森林も違法伐採のターゲットにされる。
伐採した材木は、泥炭湿地のコンディションにより、車が入りにくいことから
湿地に運河を掘り、運び出される。
さて、泥炭地の中にしみ込んでいた水分が、この運河に流れ出すと泥炭地は
からからに乾いてしまう。
乾燥したスポンジを静かに水につけてもスポンジに水がしみ込まないように、
一旦乾いてしまった泥炭地は水の吸収を拒み、とてつもなく燃えやすい地質として、
野火の危険をかかえるのだ。
違法伐採の弊害はここにもある。
欲をかいた一部の人のせいで、人間も動植物もみな大変迷惑をしているのである。
なんとかならないものだろうか?

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