森の訴え?

前回の記事では泣き言ばかり書いているが、
超短期の旅行にも関わらず、内容は豊富だった。
開発に追われて動物が里に出てくるケースは
日本の熊の例を出すまでもなく、すでに普遍的な現象だろうが、
さすがに、この標識のインパクトは大きい。
“Awas Gajah liar melintas”注意 野生ゾウ横断
なんともスケールが大きい。


 
ここは森林の入り口から5kmほどの地点。
といっても、普通の幹線道路だ。
ゾウなんかに横断されたらびびってしまう。
数ヶ月前に、ゾウの親子が道路を歩いて渋滞になった
という記事が紙面を賑わしたばかりだ。
などと車内でひとしきり話題にしていると
7時半を過ぎすっかり暗くなった車外に突然巨大な姿が
浮かび上がってきた。
「おおー」と叫び声を上げたきり、一同声にならない。
あまりにも突然であまりにも近距離(ガードレールの外だが)なので
まったく現実感がないのだ。正直『はりぼて』かと思ったくらいだ。
道路側をきっちり向いて鼻を振っている姿は、絵に描いたようなゾウだった。
「出ましたねー」「本物でしたねー」などと言う感嘆の声が上がった頃には
すでに宿泊先近くの大橋にさしかかろうとしていた。
遅ればせながら、ようやく興奮が押し寄せてきたのだった。
さて、宿泊施設に着くと、早速ゾウの情報が入ってくる。
日中、トラックが横転して運搬していたお米がばらまかれたので
それを食べに来ているそうだ。
こぼれたお米なんて食べにくくないのだろうか。
その夜寝床に入ってから、写真を取らなかったことが
ひどく惜しくなってきた。
野生のゾウなど何回も見ているし、この森に来るとかならずゾウの問題が
生じるので、現地の人に『エレファントマン』などと揶揄されている位だ。
しかし、一般道それも交通量のかなりある幹線道路沿いで見られる野生ゾウは
かなり貴重である。
結局我慢できなくなって寝床を出る。
。。。わかっていたことだが。
深夜、同僚二人を誘って車で出発した。
フラッシュはゾウを怒らせることになり、自分たちだけでなく
ほかのロードユーザーが被害にあったりしてはいけないので、
フラッシュなし、ヘッドライトの明かりを頼りに夜間モードで撮影する。
いるいる、一頭だけではなく数えてみるとなんと7頭の群れが
暗闇に浮かび上がっている。こうなると俄然力が入る。
燃えてくるわけですな。
車のサンルーフを開け、立ち上がってシャッターチャンスを窺う。
運転者には低速を要請。しかし、暗すぎてシャッターがおりない。
おりても真っ暗だ。
そのうちに通り過ぎて、Uターン。
さらに低速を要請。シャッターおりず。。。
何回か繰り返しているうちに、ゾウが腹を立てたか、
『パオー』と咆哮一つ。
運転していた同僚が怯えて撤退を請うて来たので、残念ながら
写真はあきらめることにした。
つづく

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