ヘビについて

先日クアラルンプール郊外をドライブしていて
ひき殺された大きなヘビをみつけた。
車を路肩にとめて観察してみると
3メートルほどのキングコブラ(推定)であることがわかった。


 
3メートルのキングコブラが住むなんて聞くと
一体どんなところなんだろう?と思われるかもしれないが
山間部ではあるけれども交通量もそこそこある
ほんとにごく普通の郊外という場所だ。
クアラルンプールから車で1時間そこそこ。
このあたりに住む人だってそれほど頻繁にキングコブラに
遭遇することはないだろうが、一生に一度という頻度でも
ないに違いない。
無理にたとえて言うなら
『野生のトラに較べたらよく見かけるけれども、大型のサソリほどではない』
って言う位だろうか。<その比喩自体おかしいという意見もあるだろう。
その何日か前の新聞に
『マレーシアのスネークキング、ヘビに噛まれて死亡』
という記事があったのを思い出した。
記事によるとインド系のスネークジャグラー(ヘビ使い)で
ギネスブックにも載ったことがあるアリカーンなる人物が
キングコブラに噛まれて病院で死亡したということなのだが、
息子(彼もヘビ使い)は叔父(ヘビ使い!)から父が噛まれたという
連絡を受けたが、4度目ということもあって心配していなかった(!)
しかし、糖尿病にかかっていて免疫が落ちていたことが原因で
容態が急変して帰らぬ人になった、そうである。
キングコブラに3回噛まれていた、ということもすごいが
家族が心配していなかった、というのもすごいではないか。
このニュースを読んで私は一つの教訓を得た。
つまりきちんとした処置を行えば、キングコブラの毒は致死性が
ない(少なくとも100%ではない)ということなのだろう。
これは山へ入る際に心強い情報だ。
そうしてみると、テレビのアニマルプラネットなどでキングコブラを棒切れなどで
何でもないように持ち上げているシーンが出てくるのもうなずけるではないか。
また、沖縄とその周辺諸島におけるハブ被害などと較べると
キングコブラに噛まれて死んだ人なんて新聞でも見たことがない。
今回が初めてかもしれない。
私の毒蛇ランキングの中でキングコブラ株が暴落した。
その数日後ある研究発表会のヘビ毒の解毒効果を謳った
薬用植物の研究発表で、マレーシア北部のある地域の統計を見た。
これによるとこの地域では平均して毎年12人がキングコブラを中心とした
毒蛇に噛まれで死亡している、ということであった。
少ないのではなくて、当たり前なので新聞でも取り上げないのであった。
やっぱり舐めたらアカンと思った次第である。

“ヘビについて” への37件の返信

  1. AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    キングコブラを舐める人間はそういませんよね
    にしても3mとは大きな蛇だな
    ヤンゴンではブラックコブラと呼ばれる蛇が
    結構、ゴルフ場等にいると聞いたことがあります

  2. AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
     蛇の方にではなく、アリ・カーンの方に反応してしまいます。
     KLのセントラルマーケットの脇に車が入れない遊歩道があって、12年ぐらい前までアリ・カーンは、そこで大道蛇使いだったのですよ。
     大量のサソリとガラス張りのスペースで寝食を共にする荒行でギネスに挑戦したこともありましたね。取材であったのですけど、写真撮影用にわざわざ顔にサソリをくっけてくれて…。
     それも9年ぐらい前の話かなぁ。
     
     目立ちたがり屋の名物男だったけど、早すぎる死でしたね。
     でも、「また噛まれたの」ってところも彼らしい…。
     蛇と生きて、蛇に死んだ。
     そんな酔狂な人間がいることもマレーシアなのに。
     こうして彼のことを覚えている日本人が、ちょっと話題にしているだけでも、彼の冥福の祈りになるかなぁ。
     ちょっと泣けてきました。

  3. AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322)
    太郎さん 
    ブラックコブラはマレーシアのゴルフ場でも
    おなじみのようです。
    名前ほどコブラっぽくないヘビですね。
    ネギシさん
    そう、彼は今で言うセレブって感じですかね。
    マレーシア人ならみな知っている。
    どうやらファミリービジネスのようで、
    父を亡くした息子のコメントにも
    『この仕事を続けていく。ほかに何も出来ないし』
    というようなのがあって、ちょっと感動しました。
    無責任を承知で言うなら、
    ヘビ使いとしての死はかくあるべし、というものだと思います。
    冥福を祈りましょう。

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