メディアのちから

マスメディアの力というのは本当にあなどれない。
特に全国ネットのテレビというのは本当に日本中で見られているので
下手なことはできない。
先日飲み屋で馬鹿話をしていて、近くの席にいた人が
『あー、あなたマレーシアで薬用植物の調査をしている人でしょう!?
ずいぶん前にNHKのニュースで見ましたよ。』と言い出したのである。

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ニシキヘビの記事

ロイターの記事によるとクアラルンプールで7.1メートルの
ニシキヘビが見つかったとのことである。
しかしクアラルンプールの果樹園ってどこなんでしょうね。
*当地の記事によるとセガマッ(ジョホール州)のようですが。
観光年展開中のクアラルンプールの印象に影響与えますよねー。
キングコブラもどうかと思うけど。

雨の森

ここ数週間というもの毎日昼過ぎからかなりの降水量がある。
午後いっぱい涼しくなることと、問題になっていたインドネシアからの
煙害がこれにより解決してしまったので、決して悪いことではないのだが
あまりにも毎日降ると、それなりに滅入るし、何より道路の冠水などで
交通渋滞がおこるのは困りものだ。

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大好きな森の行方

週末から非常に短い時間だが、マレーシア北部、
タイ国境沿いの森林に行ってきた。
ここはわが社の森林探索の切り札ノーリさんと知り合った森であり、
このブログでも紹介してきたゾウや蜂、ラフレシアなど
さまざまなエピソードを生み出してきた大好きな森でもある。
昨年のGWに入って以来ご無沙汰が続いていて、
うわさでは伐採がかなり進んでいると聞いていたのだが
あの大森林がまさか、と、具体的なイメージがわかなかった。
出かければまた、あの雄大な自然が迎えてくれるだろうと思い込んでいた。
結論から言うと、ずたずたらしい。
らしい、というのも、今回は仕事のミッションがあり、前日のガイドの報告で
『いつものエリアにはもう見るべきものが全くない』ことが前もってわかったので、
別の代替地を探さねばならず、足を伸ばすことが出来なかったのだ。
数万haの豊かな森林があっと言う間に失われてしまった。
多数のトラが住み、複数のゾウの群れが闊歩し、サイチョウの群れが
飛び交うあの森林が今は赤茶けた更地になっているのだ。
お世話になった先住民族の村人達はどうしているのだろう?
あの塩なめ場に集まった動物達は、新たな塩なめ場をみつけることが
できたのだろうか?
僕の親知らずの痛みをたちどころに治してしまった
あの樹液はもう手に入らないのだろう。
きっとみつけられることを待っていた、新薬のタネも
新種の生き物も二度と人の目に触れることはなくなった。
きれいさっぱり消えてしまったのだ。
森林の伐採は核戦争にも似ている。
すべてを破壊しつくし、あとには何も残らない。
似たような森を再生することは出来ても
それは似て非なるものでしかない。
放っておいたらなくなっていた。
それが僕の実感だ。
森に対して僕が何をできただろう。
でも放っておいた自分が許せない。
僕は今、自分に腹が立っている。
何もしなかった自分に。
もうあの森は帰ってこないのだ。

Big foot

新年の挨拶もしないうちにもう2月になってしまった。
去年は体調がすぐれず、生まれて初めての入院もあり、
厄年(後厄)もここに極まれりだったが、今年は厄も明けることだし、
少しはいい年であってほしいものだ。
ついでのようで恐縮ですが、そして遅ればせながら、
みなさまにもご多幸があらんことをお祈りします。
さて、2005年の暮れ、12月24日にマレーシアの各紙は一斉に、マレー半島南部の
ジョホール州とその北にあるパハン州の州境で目撃された巨大猿人について報道した。
(続く)

怒りと悲しみと

マレーシアの新聞はカラー写真をふんだんに利用した
かなりカラフルな紙面である。
それだけに、残酷な絵柄は、目を背けたくなる
ような強いインパクトを持つ。
一般に中華系の新聞の方が、事故の写真や
事件の被害者の遺体などをずばり掲載して
あざといのだが、今回は英字紙『スター』の
一面に度肝を抜かれた。
記事のタイトルは
『レンジャーがトラの体(の部分)を冷蔵庫で発見』
(Rangers find tiger parts in fridge)

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密林のウォシュレット

びろうな話で恐縮だが、日本での宿であるマンションの
ウォシュレットの温水装置がおかしくなった。
今まで温かい水が出ていたのに、急に冷水しかでなくなっただけだが
どうも違和感がある。
つくづく思うが、人間は甘やかすもんじゃない。
ところで、マレーシアの公衆トイレは、便器の脇に蛇口がひとつあり
そこから7−80センチの長さのホースが出ていることが多い。
これで、おしりを洗ってくださいということだが、
こちらは、もちろんただの水道水だ。
したがって温水でもなんでもないが、妙に気持ちいい。
前記の違和感は冷たいとか温かいの問題と言うより、
あるべきものがなかった違和感ということである。
あ、そもそも違和感とはそういうことか。
さて、それではジャングルの話をしよう。

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煙害は人災だ

この2,3日クアラルンプールの空はきれいに晴れている。
過去2週間ほどマレーシア西海岸を悩ませていた
スマトラ島の野火による煙害が一応落ち着いたということだ。
2月に起きた煙害は、主に国内の野火であったが
今回は隣国であるインドネシアの問題であり、自らの手で
鎮火や対策がとれないまだるっこしさがある。
マラッカ海峡を越えてやってくる煙は焼き畑や自然の山火事ではなく
油ヤシのプランテーションを作るために、森林伐採するのがめんどうなので
焼き払うという、信じられない暴挙が原因である。
そして、それを行っているのが油ヤシ大国マレーシアの企業(あるいはその命を受けた
インドネシア企業)だ、というのが一般の論調である。
その為、マレーシア政府のインドネシア批判の舌鋒が鈍っている、と。

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